特定非営利活動法人
地下資源イノベーションネットワーク
Underground Resources Innovation Network, NPO
NPO法人地下資源イノベーションネットワークは
未利用エネルギー資源の有効活用に取り組んでいます
特定非営利活動法人地下資源イノベーションネットワークは、北海道の地下に眠る様々な資源を対象に、関係する大学、研究機関、企業等の専門家からなるネット ワークを構築し、未利用地下資源の現状、問題点、将来についての情報収集・分析を行い、未利用地下資源を活用することの優位性を広く社会に向け提言して行 きます。また、これまでに蓄積された地下資源開発に係る知識や経験、技術を生かし、北海道にまだ多く残されている未利用地下資源、あるいはまだ利用された ことのない地下資源を見出し、将来のエネルギー、素材、環境の分野で活用するための提案、調査・研究、評価、コンサルティング、技術開発等を行っていくこ とで、環境に適合した新しい形の地下資源開発を核とした「安心・安全」な地域社会の形成と地球環境改善に貢献していくことを目指します。
重点課題:炭層メタン(CBM)と石炭地下ガス化(UCG)
砂子炭鉱の露頭炭層で石炭地下ガス化(UCG)実験を実施
三笠市の委託事業として、2023年9月に、既に石炭採掘が終了した砂子炭鉱三笠露天坑第5工区においてUCG実験を実施しました。炭層露頭部から炭層傾斜に沿って掘削した長さ20mのUCG孔(同軸孔)の先端付近で石炭に着火し、その後、注入管から酸化剤を燃焼区域に送り込むことで石炭の燃焼・ガス化を継続させ原位置石炭のガス化に成功しました。
今回の試験では、これまでの実験で最も多くの酸化剤を注入できた2021年の人工炭層実験と比べて2~3倍の酸化剤を注入したことにより、時間当たりのUCGガス生産量が最大30Nm3以上(平均22Nm3)、反応石炭量が最大15kg(平均10kg)のUCG実験をおよそ70時間に亘って実施することができました。また、UCGガス中の水素濃度も平均22%と比較的高く、平均で1時間当たり約5Nm3の水素を含むUCGガスを生産することが出来ました。地山石炭層での注入酸素量と反応石炭量や生産ガス量の関係には、従来の人工炭層実験で得られた経験則が概ね適用できることも明らかとなりました。
三笠市における露頭炭層UCG実験の成果については
こちらをご覧ください
実験の様子はYou tubeでご覧になれます
三笠市が目指す「ゼロカーボンシティみかさ」
ブルー水素による街づくりを支援しています
三笠市では、未利用エネルギー活用事業の一環として、市内に豊富に存在する地下の石炭をガス化し、そのガスから水素を製造してクリーンなエネルギーとして活用することを計画しています。この計画では、水素を製造する際に排出される二酸化炭素(CO2)を市内の石炭の採掘跡に埋め戻すことで、カーボンフリー水素の製造を目指しています。
2022年5月14日、CO2を地下に送り込むための注入井の掘削作業が始まりました。また8月には、この注入井から、CO2やCO2を固化させる特徴を持ったスラリーの注入実験を実施し、石炭の採掘跡に十分な量のCO2を送り込み、貯留できることを確認しました。
NPO法人地下資源イノベーションネットワークは、コンソーシアムの代表企業としてこの計画に参画しております。
CO2注入実験現場の状況(2022年8月)
三笠市におけるCO2地下固定実験の成果については
こちらをご覧ください
実験の様子はYou tubeでご覧になれます